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大抵の印刷物は、インクを使って文字や写真を再現しています。そのためにインクの着いている部分を点にして(網点)、この点の密集度合いで再現しています。1色で刷られたマンガの本を見ると網点がよくわかると思います。新聞の写真も、網点がわかりやすい身近な印刷物のひとつです

写真のプリントと印刷された写真

モノクロ写真を撮ってプリントすると、プリントは無段階であることが判ります。真っ白から真っ黒まで段階がありません。一方、印刷のインクの濃度は一定ですから同じ段階がないと言ってもこちらは真っ黒だけという事になります。

つまり印刷による写真の再現とは写真を網点の大きさに変換し、その網点にインクを乗せる事なのです。従って、どんなに頑張っても印刷された写真は、もとのプリントされた写真にはかないません。量産するための手段として優位であるということです。

だからといって質の悪い再現で良しとする訳にはいきません。できるだけオリジナルのプリントやポジに近づけるのが製版や印刷の技術といえます。同じ写真でも会社によって仕上がりがずいぶんと違うことがありますが、それは網点に変換するという段階を踏むことと印刷するという課程を経るからです。この課程での作業の設定が、各社のスキルというわけです。

簡単にいえば、12色刷り美術大全集の印刷や特色を多用する化粧品の広告ポスターは、通常の印刷会社では簡単にできないし、逆にチラシの印刷・製版には相応の技術が必要です。印刷の技術としては前者の方が格段に高い技術を要求されますが、流通関係の印刷には全く別の技術が強く要求されるということです。どちらもそれぞれ、優れた部分として必要とされる事柄に違いがありながら、同じ印刷の世界を構成している訳です。

大切な網点を確認するルーペ

極端な例を挙げましたが、どちらも網点が重要な要素であることに違いはありません。製版にたずさわる人や印刷機を動かす人は、必ず小さな網点を頻繁に確認しながら作業を進めるのです。

そんな時活躍するのがルーペです。印刷や製版の会社には必ずある定番の道具となっています。いわば必需品と言えるでしょう。「永年、印刷や製版の仕事をしてるけど、ルーペなんて使ったことないよー」なんて人がいたら、その人はなんか間違っていると思って結構です。

ルーペ自体の種類はたくさんあるのでしょうが、印刷・製版関係で使われる定番のひとつに折り畳み式ルーペがあります。

このルーペ、折り畳まれていることは少なく、いつもスタンバイOKの状態で置かれています。創りはいたって堅牢で、壊れることは無いんじゃないかと思います。一生モノです。おまけに金額も決して高いものではありません。ルーペを見ながら手元の作業ができるのも、感涙モノだったりします。

優れた道具には無駄がないという好例であると思うのです。

定番のルーペを3Dで作ってみました。