「用の美」と印刷文化
人との新たなる出会いを大切に
「秘湯めぐり」
オヤジになっても星が好き
花模様の封筒
オヤジになっても星が好き
株式会社井田印刷工房 代表取締役社長
井田 多加夫
 子どものころ、近所に天文少年がいて幾度か天体望遠鏡をのぞかせてもらった。暗い背景にとぐろを巻いたようなアンドロメダ星雲や不気味にゆがんだ木星を見たときの感動は今も忘れられない。定番の土星の輪を見たときも「ウォー!スゴイ!土星の'わっ、わだ! 'わ'だあ!」という具合だ。そして、「俺は土星の輪を見たんだ!!」と自慢気にしゃべっても、「ああ、そうか」と動じない人もおり、そのこともついでに驚かされてしまった。

 さて、清少納言のいうとおり、やはり、すばるが一番だ。それもクソシバレル夜に歯をガチガチいわせながら双眼鏡をのぞくのがサイコーだ。北斗七星を小さくしたようなのが、丁度視界にすっぽりと収まり、チカチカしている。若い星々の集まりで、周辺にはまだ水素ガスが漂っているはずだが、もちろん、そこまでは見えない。ただ、このすばるも秋の昇りかけや、春、西に行ってしまったのを見てはまるで迫力がなくオモシロクナイ!のだ。

 宇宙の解明は最近メチャメチャにススンでいる。数えるほどの人間しか理解していないといわれている相対性理論や誰も分からないといわれている量子力学のせいだ。ここに座っている俺と走っているあいつとは別の時間帯に住んでいるのだとか、一定の確率で『無』からポンと粒子が生まれるのだとかいうことになっては訳の分からない話で気が滅入ってしまう。

 最近の超新星の観測によると、宇宙の膨張は加速しているらしい。「真空のエネルギー」とかいうものの宇宙斥力が原因だと聞いている。『無』の中に何かがあるようだ、ということになると、もう、ほとんどめまいというより吐き気をもよおします。

 それにつけても、近ごろの経済情勢、政治情勢、国際情勢はいよいよたいへんです。ひょっとすると、世界は『無』ととなり合わせかも知れないのに!です。