キュビズム、だけど陽気
オシップ=ザッキン 「人間の森」
旭川市の常磐公園には道立旭川美術館がありますが、その正面に置かれている彫刻がオシップ=ザッキン作「人間の森」です。ピカソやブラックから始まった絵画の表現手法のひとつ「キュビズム」の影響を深くうけながらも、陽気に生命を謳歌するさまが伝わるのはザッキン特有のものです。その根底にはアフリカの民族芸術の流れが色濃く反映されているようです。

●ブロンズ
●高さ230センチメートル
●1957年制作
●1975年設置
●常磐公園内

2006/10/23


10月下旬になると、北海道ではそろそろ「雪虫」という雪のような虫が飛ぶようになります。アブラムシの一種なのですが雪そっくりの姿をしていて、フワフワと飛んでいます。冬の到来を告げる虫でもあり、今年もいよいよ雪が降るんだなあと実感します。

公園内にある道立旭川美術館と向かい合うように置かれている彫刻が、オシップ=ザッキン作「人間の森」です。ディフォルメされた人間の部分が不規則に交差し支えあい、複数の人間のかたまりのように見えます。

上へ向かって沢山の手(のようなもの)が伸びている様子は、成長や希望を表しているようです。全体と個が一体となって伸びゆくなにものかを表現しているようです。

後から見ると、一人の人間らしきカタチがしっかりと全体を支えています。そしてこの人物は大地とつながり、それは一本の巨木のようになっています。ザッキンはアフリカ芸術の影響を色濃く受けたと言われています。政治的に利用された歴史のため時として暗い影をもつキュビズムを、明るい人間賛歌へと転換したのはこの影響によるところが大であると言えます。人間の森というタイトルに込められた作者の意図をあれこれと想像するのは楽しいものです。

以下はその他の写真です。